メールマガジン第4号

<3号 5号>



◆◇被災者支援センター・エマオ メールマガジン【第4号】◆◇
 エマオでは夏に向けて、着々と(?)準備を始めています。
 七郷笹屋敷の夏祭りも、七郷中央公園仮設での夏祭りも、各自治会が主体となって企画・運営するのをお手伝いさせていただいています。何よりも「被災された方たち自身が、自分たちのコミュニティを作り上げていく」、その大切さを噛みしめている日々です。

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■ 今号のラインナップ
[1]『ボランティア』との出会いが 生きがいをくれた ~その3~(全4回)
[2] 教育支援@立町復興商店街
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[1]『ボランティア』との出会いが 生きがいをくれた ~その3~(全4回)

※第3号の時に、容量が多く、文章が途中で切れてしまっていたということがありましたので、今回は前回の途中から始まっております。
ご了承ください。そして、途中で切れないように容量を小さくしたため、3回では足りなくなり、全4回にさせていただきます。

<リード>
約半年前から『エマオ』のボランティアと共に、自宅の修復を続ける庄子好次さん(六十歳)、敏夫さん(五十五歳)兄弟。被災者となり絶望したあの日から、復興者として立ち上がった2011年を振り返り、欠くことができなかった『ボランティア』の存在について、自分たちの言葉でおおいに語ってくれました。
(取材・文/塩坂佳子 取材日時/2012年3月17日)

兄も『ボランティア』と共に
家の再建を決意

 弟の家が確実に直っていくのを見て、兄の心も少しずつ立ち上がっていきました。
 自分が建てた家なら潰してもいい。しかし本家は、先祖から引き継いだ大切な宝です。解体するにしても、やれることを全てやってからでないと申し訳が立たない……。
 兄、好次もボランティアの手を借りて、本家の再建に乗り出すことを決意したのです。
 家の前には、農機具を格納する大型倉庫がありました。妻が津波に追われ、ふたりの孫と恐怖の体験をしたあの場所です。
 壁の二面を広く覆う窓ガラスには、床から150㎝ぐらいの高さでクッキリと色が変わる津波の線が刻まれていました。鍬、くわ、シャベル、一輪車、ねじ回しやハンマーなどの小道具から、木材や高価な大型機具まで、「津波ライン」より下にあったものはすべて泥まみれです。ほうぼうに散乱したその物や道具を、ボランティアはひとつひとつ水で洗っていきました。何度も水を流して床に溜まった泥をかき出し、最後には窓ガラスに刻まれた「津波ライン」をこすり洗って消しました。
 学生、サラリーマン、主婦、保母、年金生活者……。日本全国、時には海外からも、さまざまな顔ぶれのボランティアがやってきて、ほんの一週間ほどで広い敷地にある畑や倉庫がほとんどきれいになりました。好次が仕事を休んで二ヶ月間頑張っても、ひとりでは手がつけられなかった場所です。
(こんなに直るとは思わなかった……)
『ボランティア』と一緒ならできるかもしれない!好次は本気でそう思いました。この瞬間から、生まれ育った家の再建が、彼の生きがいとなったのです。
 また、この頃から、ボランティアを慰労するため、妻も缶ジュースやお菓子を持って家に立ち寄るようになりました。人がいるとわかっている時間帯にしか、怖くて来ることはできませんでしたが、それでも、毎回来るたびに何かが少しずつ修復されていくのを見て、妻の心もだんだんと、明るくなっていくようでした。

 もちろん最初は、家の中も惨憺たる光景でした。
 天井は大きくはがれ、床は津波に突きあげられて穴が空き、海側の壁には、松の大木が突き刺ささっていました。壁や窓ガラスには、やはり高さ150㎝ぐらいの所まで津波の跡があり、テーブルや箪笥、仏壇、家族のアルバムまで、残った家財道具や大事な物のすべては泥まみれです。畳や襖も水をかぶって全滅。家自体が大きく歪んでしまって、窓は閉まりませんでした。そして、床下には必ず悪臭を放つヘドロが溜まっているのです。
 畑を挟んですぐ隣にある弟・敏夫の家も、最初は同じような状態でした。
 ボランティアは、まず家財道具を移動して床板の一部をはいで床下に潜り、手作業でヘドロを掻きだしていきます。その後は、随時自分たちと相談しながら、作業を進めてくれました。
 例えば敏夫の家では、はめ直した床板の上にフローリングマットを敷き、壁には白いペンキを塗って、震災前よりも明るい雰囲気の部屋ができあがりました。地震で落ちた屋根の瓦も整えて修復。解体した家から津波をかぶっていない建具、家具などを譲り受け、障子や襖の紙を貼って、カーテンも取りつけました。ここまでで約5ヵ月間。あっという間の日々でした。
 本家も同時進行で、修復を行いました。
 敏夫の家よりも大きい分、時間はかかりましたが、昔は結婚式も行ったことがある三間続きの大広間。
 そこに、中古だけれど、津波をかぶっていない緑の畳が久しぶりに敷き詰められた時は、感無量でした。その頃にはすでに、一度帰ってもまた来てくれた顔なじみのボランティアがたくさんいて、彼らもまた、自分の家のことのように目を潤ませて喜んでくれたのです。

ボランティアとの交流が
心の再建を支えた

 すでに半年以上となる『ボランティア』との付き合い。
 人数は日々変動し、自分たちの家だけに10人以上も来てくれる時があれば、スタッフ1人しか来られない日もありました。家主である私たちも、仕事の都合で毎日立ち寄れるわけではありません。途中からはリーダーに家の鍵を預け、電話だけで指示するなど、絶対的に信頼を寄せる存在となりました。
 当然ながら、彼らは素人集団です。大学などを休学し、常駐のスタッフとなったリーダーでさえも、最初はほとんど何もできない普通の若者たちでした。しかし、自分たちの家をある意味、実験台として、修復のヒントやアイデアを出しあい、そのやり方を教えていくうち、彼らは大工仕事や交渉ごとなど、多くのことをできるようになっていったのです。
 もちろん、プロのようにはいかず、仕上がりはいびつです。それでも、「とても人が住めなかった家」が「なんとか住める」ようになるだけで十分だと思いました。私たちは何も、家を新築してほしいわけではありません。残った宝物を「大切に直してほしい」と思っていただけなのですから。
 また、何より私たち被災者は、自分の意志とは関係なく、一方的に助けられなければいけない側となりました。自分も人を助けたい! しかし今は、とてもそのような力はありません。助けられてばかり……。そこにはやはり、悔しいような情けないような、複雑な思いが存在したのも事実です。
 そんな自分たちにとって、ボランティアとして来てくれた若者たちが、技術だけでなく人間的にも大きなものを得て、帰って行く姿を目の当たりにするのは大きな喜びでした。人生の先輩として若者たちに何かを教え、成長させることができたという小さな自覚は、被災体験でひしゃげてしまった自信と誇りを蘇らせてくれたのです。
 そこに生まれた信頼と絆は、他ではちょっと見当たらないほど、不思議で素晴らしいものです。
 なぜアカの他人のためにそこまでやってくれるのか、なぜ無償で働いてくれるのか……。
 今でも私たちには『ボランティア』という概念が、ハッキリとは理解できません。それでも、人に助けてもらうありがたさを身に沁みて知ったのです。
 繰り返し来てくれる顔なじみのリピーター、特に県外から移り住み、ボランティアのリーダーとして毎日、家に来てくれたスタッフ達は、実の子ども以上に愛しい存在となりました。時には繁華街に連れて行き、一緒に酒を飲んでいます。家族のことや進路など、若い彼らの人生について話を聞き、助言することも、今の私たちにとっては大きな楽しみとなっています。

 三一一がなければ、けして結ばれなかった縁。
 あまりに多くの物を失いましたが、振り返ると、同時に大きな物を得ていたと感謝します。

その4へ続く

[2] 教育支援@立町復興商店街
 ボランティアお願いします!
 エマオ石巻で、石巻立町復興ふれあい商店街で教育支援イベントを企画しています!学習支援といっても、どれも難しいことではありません!子どもたちに勉強や工作を教えたり、アドバイスをしたり、プログラムが円滑に進むようにスタッフのお手伝いをしたり、来てくれた子どもたちみんなが交流して楽しい時間を過ごせるよう、一人一人のサポートをしたり、お話を聞いてあげたり、子どもたちと一緒に遊んだり…楽しみながら参加して頂ければ幸いです!
 また、プログラムにないことでも、「私ならこれができる」「これなら子どもたちが喜んでくれる」というアイデア&能力をお持ちの方、大歓迎です!!子どもたち、ボランティアさん、スタッフ、みんなで協力してみんなが楽しめるイベントをつくり上げたいと考えています。

*日程*2012.7.23(月)~2012.7.27(金)
*時間*午前の部9:00~12:00 午後の部14:00~17:00
 最終日は終了後に夕涼み会(BBQ)の予定
*場所*石巻立町復興ふれあい商店街 集会所
*目的*「地域の子どもたちの居場所作り」
    居場所作りを目的に、子どもたちへの学習支援を行います。
    勉強だけではなく、みんなで遊び、みんなで物作りをしましょう!
*対象*地域の小学生、中学生
*主催*エマオ石巻、協力:YMCA石巻支援センター
*プログラム内容*
◎午前の部9:00~10:00 午後の部14:00~15:00 夏休みの宿題のお手伝い
◎午前の部10:00~11:30 午後の部15:00~16:30 レクリエーション
・毛糸でぽんぽん作り
・Tシャツ作り(布用塗料を使ってTシャツに絵を描く)
・百人一首
・紙粘土
・外遊び
・ボランティア持ち込み企画 など
※プログラムは変更の可能性があります。
◎午前の部11:30~12:00 午後の部16:30~17:00 壁画を描く
・床いっぱいに広がるような大きなキャンバスをひとつ用意して、参加した子どもたちみんなで協力し合って、絵を描いてもらいます。最終日に完成させ、BBQでお披露目です!

5日間、子どもたちと一緒に勉強して、一緒に遊んで、楽しい時間をすごしませんか?5日間の参加が理想ですが、数日も可能です!数日は教育支援ボランティア、残りはワークも可能です!お手伝いしてくれる方、よろしくお願いします!ご連絡お待ちしています!!!

武井瞳美(石巻スタッフ)

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発行:東北教区被災者支援センター (UCCJ Tohoku Disaster Relief Center)
〒980-0012 仙台市青葉区錦町1-13-6 東北教区センター・エマオ 2階
Tel 022-265-0173  Fax 022-265-0174

[公式ブログ] http://ameblo.jp/jishin-support-uccj/
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